YouTubeやX(旧Twitter)で有名なアニメ私塾さんのノウハウが詰まった本です。
初心者でもシンプルな線で説得力のある人物の表現方法を学ぶことができ、これから絵を描き始めたい人に特におすすめです。
この本で学べたこと
人物・人体の比率の基礎
動きを付けた際の説得力のある作画について
人物と空間、周りの物や風景の表現方法について
評価ポイント
体の描き方などの基本について書かれてますが、他の基礎イラスト教本と異なり凝った筋肉や骨などの知識は不要で、かなり優しいこれから絵を始めたい人の為の準備として超基本な顔の書き方、身体の描き方なども学べます。
難しい筋肉の知識を使わずに、直線と曲線を組み合わせたシンプルな線で分かりやすい表現方法を学ぶことができるため、初心者に非常に優しい内容です。
また、絵の上達に欠かせない「模写」や「人物写真」を使った具体的な画力向上の方法が紹介されている点も魅力でした。
アニメーターが書いた本だけあり、説得力と躍動感のある動きの表現を学べ、シンプルな表現で効果的に動きを伝える技術も身に付けることができます。
さらに、空間パースや背景と人物の描き方、車や木、建物を一緒に描く際の注意点や比率についても学べるので、背景とキャラクターを一体的に描くスキルを高められます。
強み
シンプルな作例ですが動きについて学べるため、基本から、キャラクターの動き方、見せ方、歩く・走る・重いものを持つ・投げるなどスポーツアクションやアニメーションの基礎が学べます。
顔、身体の超基本、手と足の可動域、手足の圧縮で立体感の表現方法、収まりの良い構図、キャラクタを書き込む前のいろんな素体の使い分け、上達に欠かせない模写のコツ、比率、模写に不慣れなら補助線の使用方法、線の組み合わせで動きと立体感の表現方法、目の描き方、写真を使った画力底上げ方法、手足の描き方、写真の人物からデフォルメ化、フカンとアオリの基本、キャラの躍動感の持たせ方、歩き・走り・片足でたつ・重い荷物をもつ・強風に向かって歩くポーズなど
空間パースやレイアウトの基礎についても学べ、背景とキャラクターを組み合わせた場面の表現に役立つ具体例が豊富に掲載されています。例えば、椅子と人、建物と人、車と人などの描き方が学べ、よりリアルで躍動感のあるシーンを描くスキルが身に付きます。
空間とレイアウト、椅子と人で学ぶ空間パースの基本、向き合う2人で学ぶ遠近法、広角と望遠、主観と客観、レイアウトと目線誘導、画面の枠に対してバランスのよいキャラと建造物の配置方法、高さの表現、モノと人を描く際の注意点、部屋と人、部屋を上手く描くコツ、車と人、車を上手く描くコツ、木と人、木をうまく描くコツ、空間ビートについて、道と人、街と人など
また、後半には添削例も含まれており、イラストを通して改善ポイントを学ぶことができるため、自分の描き方を見直すきっかけにもなります。
個人的な体験
自分は学んだシンプルな線と表現、動きは簡単な漫画を描く際に活かすことができました。
簡易ではありますが棒立ち・無背景より一歩進んだ表現と、凝った作画無しでも分かりやすく早く描ける表現方法を学べました。
ポーズ集だけでは学びにくい歩く、走る、投げる、重いものを持つなど重心を意識する知識を得たと実感しています。
総評
絵をこれから描き始める初心者から、動き、人物と背景を組み合わせた躍動感のある作画を目指す初心者にオススメの本です。
単純な図形から体の動き、表現方法を学べる為、人体の構造を詳しく知らなくても簡単に超基本的で自在な表現方法が得られます。
また漫画を描く際にも、少し動きを入れたり、シンプル背景や構図を組み合わせた表現を学びたい方にも役立ちます。
本の基本情報
タイトル | アニメ私塾流 最速でなんでも描けるようになるキャラ作画の技術 |
著者 | 室井 康雄 様 |
出版年 | 2017/11/16 |
ISBN | 978-4767823904 |
ページ数 | 160 |
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